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初日の出・若水

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初日の出

その年の最初に昇って来る太陽を拝み、1年の幸運を祈るもの。
これは初日の出と共に年神様(としがみさま)が現れるといわれていたからです。

特に、高い山頂で迎える太陽を「ご来光(ごらいこう)」といい、ありがたいものとされています。 山頂近くの雲に映った自分の影が、光の輪を背にした仏像のように見えたためとか。 「ご来迎(らいこう)」との語呂合わせもあるようですね。

この習慣は昔からのものではなく、明治の頃から盛んになったようです。天皇が元日の朝に行う四方拝(しほうはい)という儀式が民間に広まり、年神様を迎えるために家族で過ごし、東西南北を拝んでいました。それが初日の出を拝むという習慣になったといわれています。

四方拝(しほうはい)

天皇が元日の朝に自ら行う儀式。平安時代に始まったといわれています。
北辰(北極星)や天地四方、山陵(天皇の墓)を拝み、一年の災いを祓い、人々の幸せや健康、五穀豊穣や天下太平を祈ります。



若水

元日の早朝にその年初めて汲んだ水のこと。
まずは神棚にお供えをし、それから雑煮を煮たり、大福茶をたてるのに用います。この水は、一年の邪気を払ってくれる縁起のよい水とされています。

平安時代の宮中では立春の行事でしたが、後に元旦の行事になり、一般に浸透しました。

年頭最初の大事な行事で、若水を汲むのは年男の役目とされていますが、西日本などでは主婦の役割としている地方も多いようです。

若水を汲むことを若水迎えといい、できるだけ遠方に汲みに行くのが良いとされ、途中で人にあっても口を利くのは厳禁でした。
水を汲む時は「黄金の水を汲みます」と唱えます。
現在では井戸から飲料水を汲むことはほとんどなくなりましたが、元日の夜明けに名水を汲みに行く方も多くおられるようです。夜明けに名水を汲みに出掛けるのも大変ですね。水道の蛇口にしめ飾りをかけておかれるといいのではないでしょうか。 新しい年を新たな気持ちで迎えるというけじめの意味が大きいと思いますから。

「一番水」「福水」とも呼ばれます。


大福茶

若水を沸かして入れたお茶のことで、邪気を払うとされています。煎茶やほうじ茶に梅干や結び昆布を入れます。
空也上人ゆかりの六波羅蜜寺では、正月三ヶ日大福茶がふるまわれ、飲めば一年の悪疫から逃れられるといい大勢の参詣者で賑わいます。



 季節の言葉
初空(はつぞら・はつそら)
元日の空のこと。初御空(はつみそら)ともいいます。


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